映画「名探偵コナン 絶海の探偵」を鑑賞。
偶然にも、今日は部活がオフの日であったため、この映画を鑑賞することができた。
もしオフでなければ前売り券が紙くずと化していたことだろう。
さて、本作はアニメの映画と実写のエンドロールは切り離して評価するべきであろう。
アニメ部分
まず、批判から始めよう。問題点は以下の通り。
・殺人事件が発生したといえど、特定防衛機密であるイージス艦のCICに民間人を入れる自衛官
→自衛官でも限られた者のみしか入れないCICに民間人(や警視庁・京都府警の刑事と海上保安部の海上保安官)を立ち入れるなど、自衛隊法違反である。更に、イージス艦の情報漏えいは日本一国の問題では済まず、アメリカ・スペイン・ノルウェー・韓国・オーストラリアといったイージス艦保有国の防衛体制にヒビを入れることになる。
・イージス艦の艦内で戦闘を行う情報保全隊所属の「1等海佐」の女性海上自衛官
もはやどこから突っ込めば良いのか。諸外国の軍隊の「大佐」相当とされる1等海佐が、なぜ最前線で銃撃戦を行おうとするのか。更に数少ない(作中で言及された通り、WAVEは海上自衛官の4%のみ)海上自衛官がイージス艦に乗り込み、銃撃戦を行うのか。
・船首方向に向けて発艦するSH-60K
海上自衛隊に限らず、通常、艦載ヘリコプターが戦闘艦から発艦する際、左後方に発艦する。これは船首方向に発艦すると艦橋やマストに体当りすることになる。「左」後方である理由として、全通甲板を持つ戦闘艦は艦橋が右側にある。これは通常船は左舷で接岸するため、艦橋が右側にあると作業効率が良いのである。つまり、全通甲板を持つ戦闘艦(例:ひゅうが型護衛艦、ミストラル級強襲揚陸艦など)に合わせて、ヘリコプターは左後方に発艦するのである。
(ちなみに、左側の艦橋を持つ航空母艦は大日本帝国海軍の「赤城」「飛龍」のみである)
・蘭とXが繰り広げる格闘がもはや「ギャグ」
物理法則を完全に無視した格闘。メタルギアシリーズのスネークもびっくりの「CQC」だ。
・ミサイルを超える軌道を描くサッカーボール
跳ね返りで威力が減衰されても艦首の落下防止策をひしゃげさせる威力を持つサッカーボール。Mk45や艦橋が壊れやしませんかね?
では、次いで評価だ。
・迫力のある戦闘シーン
某アニメ(ジパ○グ)や某映画(亡国○イージス)、更にはニコニコ動画「イージス護衛艦対空戦闘訓練映像」で見聞きした覚えのあるセリフがスピーカーから響いた。
更に艦が揺れる描写や魚雷の発射といった表現の評価は高い。
エンドロール
護衛艦「きりしま」「みょうこう」「ちょうかい」「あたご」とSH-60Kが登場。
護衛艦「こんごう」「あしがら」が登場しなかった点が惜しいが、海に生きる男たちを無駄な装飾なしで上手に表現していたと思う。
事に臨んでは危険を顧みず、有事の際は命を海に捧げる者達──即ち、陸地に住む一般国民は知らぬ者達──が一般国民に知れ渡る良い機会だったと思う。
TBSドラマ「空飛ぶ広報室」と併せて、ドラマ・アニメ・映画etcが「国民が自衛隊を知る」キッカケになれば幸いだ。